2022/06/24 14:20

でっかいことは、いいことですよね。

パフェ…からあげ…動物…乗り物…ビル…鍋…
皆さんは何が大きいとワクワクしますか?

私は断然、石です。


近年、にわかに巨石ブーム(のような気がする)ですし・・・

石にかかわる会社として、ここらで一発!
島根の巨石を紹介したいと思います!


まずは、まあまあの大きさから始めていこうと思います。
巨石というより大岩クラスですね。


【①屏風岩】



(出雲市大社町杵築北


出雲大社近く、稲佐の浜から道路を渡って少し入ったところにあります。

高さもそこそこで、厚みも無いのであまり巨大感はありませんが、
以外に由来はしっかりとした巨石です。

右の案内板によると、
大国主命(オオクニヌシノミコト)と武御雷命(タケミカヅチノミコト)が
国譲りの話し合いをしたときに、この屏風岩の岩陰を利用したとのこと。
今は、伝説通り日よけにするには丁度いいくらいの岩がひっそりと佇んでいます。
(倒れてきそうで怖いですが…)

国の命運をにぎる一大会議ですので、現代なら条約の名前になって教科書に出てきてもおかしくないですね。



【②岩船大明神】



奥出雲町大呂

次は、この鬼神神社の入り口にある巨石です。
道路沿いなのですぐに見つかります。



(岩船大明神)


この石も一見2メートルほどしか無いように見えますが、
地下には数メートルもあり、全く動かせないそうです。

神代の時代に須佐之男命(スサノオノミコト)が五十猛尊命(イソタケルノミコト)と新羅から訪れた際に
乗っていた土製の船が岩に変化したものが、この岩船大明神だと伝えられています。

ということは、船首か船尾の一部分だということでしょうか。
船尾だとしたら頭からずいぶんダイナミックに着地したことになりますね。

また神社の裏の参道を少し歩くと五十猛尊命のものとされるご陵墓もあり、歴史的にも興味深い場所です。


出雲市の鼻高山にある來阪神社にも、須佐之男命関連で似たサイズの岩があります。


出雲市矢尾町 腰掛け岩)




高天原から降臨した須佐之男命が腰かけて国を見渡したという岩で、
今も市内や三瓶山が見渡せる気持ちのいい場所にあります。

須佐之男命が腰かけたときはどんな風景だったのでしょうか…。



【③水瓶岩】

次は県内でも有名な巨石スポット『鬼の舌震』
最近は鬼滅の刃で別の岩が有名ですが、昔からここを代表する岩といえばこの岩ではないでしょうか。


奥出雲町三成宇根)

水瓶岩と書いて「はんどいわ」
ちゃんと蓋もついています。



近くに寄れないのでその迫力を体感することはできませんが、
素朴な形をしていて、渓流をBGMに眺めていると和やかな気持ちになる巨石です。

もちろん他の巨石・岩壁も見どころ満載。
石好き・地学好きにはたまらないスポットです。




【④八雲山 夫婦岩】

もう一つ県内の有名な巨石もご紹介。
須佐之男命をご祭神とする須我神社の奥宮でもある【夫婦岩】です。

神様の降臨される岩を磐座とも呼びますが、
中でも巨石と須佐之男命は結びつきやすいのでしょうか???


(雲南市大東町須賀)


こちらが登山道入り口。
登山道と聞くと私のような運動不足はおびえてしまいますが、夫婦岩までは割とすぐです。
自信がない方は竹の杖を借りていきましょう。



道々に和歌が刻まれた石も点在しています。
石を照らす木漏れ日にも癒されますね。

↓  そしてこちらが夫婦岩。 ↓



大きな岩から…

・須佐之男命
・奇稲田比売命(クシナダヒメノミコト)
・清之湯山主三名狭漏彦八島野命(スガノユヤマヌシミナサロヒコヤシマノミコト)

最後は聞きなれない神様ですが、お子さんだそうで。

サイズ的にもまごうことなき巨石ですが、寄り添っていて何だかかわいらしいですね。
日によっては家族連れでにぎわっています。

そして、次の神社の御祭神も須佐之男命。


【⑤首岩】

ところ変わって佐田町に鎮座する多倍神社。
その記録は延喜式にもあり、とても由緒のある神社です。

入り口右側に案内板によりますと、
神社から北に500mほどの場所にある『鬼の窟(むくろ)』。
そこに住んでいた悪事を働く鬼たちを須佐之男命が退治し、
鬼の大将首を埋めた場所に蓋として置いた2つの岩が【首岩】ということでした。



出雲市佐田町反邊

写真ではわかりづらいですがメイン(?)の大岩は直径4m、高さ2.5m。
その上倒れ掛かっている岩が、長さ4m、幅3m、厚さ1.2mあります。




横から見ると社殿の半分くらいの高さ。
地面を掘ると血の色をしているとか、岩を触ると血が付くとかなんとか。
あまり試す気にはなりません…。



そしてなぜか境内に3つ、玉石らしきものも置いてありました。
近辺では巨石信仰が篤いのでしょうか。

佐田町には他にも奇岩があるそうなので、また行ってみなければなりませんね。



【⑥八重山神社】

次は巨石は巨石でも、ほぼ岩壁。


雲南市掛合町入間

めまいがするような長い階段の先にチラ見え。
(ここに来るまでにも傾斜と階段があります…)

八重山は標高669mあり、この神社はその中腹に位置します。
それがこちら ↓





背後の巨岩の高さは約45m。圧倒的です。






(金鶏の岩屋と書かれた板(?)が辛うじて見える)


その昔、岩の洞窟に住んでいた魔神『鷲尾猛(ワシノオタケル』が金の鶏を操って悪さをしていたため、
須佐之男命に退治されたという伝承があります。

須佐之男命には何から何まで退治していただいて…ありがたいことです。
現在は家畜・ペットの神様としても有名。


また、八重山神社の近くには他にも岩に寄り添う神社があります。


(箭嶋神社)


先ほどの伝承の魔神を、弓箭(きゅうせん…弓矢のこと)で魔神を威嚇した際、
その弓箭を岩に刺したものが根付いてこの地になったと伝えられています。



(牛頭天皇社)

こちらは、神牛として飼育していた牛を弔った場所。
八重山神社の神牛でしょうか。



さて、巨石はまだまだあるのですが、とてつもなく長くなりそうなので次回にまわします。
全然、一発ではなかったですね。

夏になって昆虫が活発になってきましたので、
巨石巡りの際にはスズメバチにお気を付けくださいませ。

では、また~。