2021/09/09 11:11
こんにちは。
石の情報を発信している当ブログですが、当社のある地元出雲についても時折発信しています。
出雲といったら?と聞かれたら皆さん何を思い浮かべるでしょうか。
「出雲そば、出雲大社、その出雲大社があるのは島根・・・あれ、鳥取だっけ?」と、なるかもしれません。
(一応、念を押しますが島根です)
実は出雲があるのは島根だけではありません。
もう一つの出雲があるのは奈良県の桜井市。

(大美和の杜展望台から望む桜井市)
桜井市の大神神社の御祭神【大物主命】が、【大国主命】と同一視されているということで、
1989年、出雲大社のある大社町と友好都市となりました。
なので今回はもう一つの出雲、そして友好都市である桜井市の魅力をお届けします!

ということで、まずその奈良の出雲へ向かいます。
ここは桜井駅から近鉄大阪線に載乗って2駅目の【長谷寺駅】
紅葉で有名な長谷寺の最寄り駅ですが、坂を下りて長谷寺とは逆の西へ歩きますと・・・。

早速、川沿いの閑静な場所に桜井市の出雲がありました。
この静けさや、夕日の色もどことなく島根の出雲に似ています。
ではなぜこの地が出雲と呼ばれているのか、その伝説の地へ向かいましょう。

そしてこちらは、その出雲のほぼ中央に位置する『十二柱神社』。
その名の通り、十二柱の神様が祭られています。
傍らには、ちかくに城宮があったとされる武烈天皇のお社もひっそりと佇んでいました。

よく見ると、狛犬の土台を小さな力士が支えています。
これは、出雲が日本初の相撲の天覧試合で勝利した【野見宿祢】にまつわる土地だからです。
そして、その集落は古代から『出雲ムラ』と呼ばれていました。

ここで島根県民はえっ?となるかもしれません。
野見宿祢は出雲大社の宮司、出雲國造家の祖先であると伝えられているのです。
それなのに何故、奈良にゆかりの地があるのか?
それなのに何故、奈良にゆかりの地があるのか?
現地の言い伝えによると当時、野見宿祢はこの出雲村に住んでいたとされているようです。
現地の言い伝えによると当時、野見宿祢はこの出雲村に住んでいたとされているようです。
というのも、野見宿祢は【出雲の国から召喚されて天覧試合をした】と、日本書紀にあります。
一説には召喚されたその日のうちに試合があったともいわれるので、そうなると島根はちょっと遠いですね。
現地には彼の塚があったとされ、その上に置かれていたという五輪塔も残っていました。

(五輪の塔 鎌倉初期の作)
出雲村は島根から移り住んだ人々の集落だったのか?はたまたその逆か?
野見宿祢が試合に勝利した後住み着いたのか?ロマンは広がりますね。
というのも、野見宿祢は【出雲の国から召喚されて天覧試合をした】と、日本書紀にあります。
現地には彼の塚があったとされ、その上に置かれていたという五輪塔も残っていました。

(五輪の塔 鎌倉初期の作)
出雲村は島根から移り住んだ人々の集落だったのか?はたまたその逆か?
野見宿祢が試合に勝利した後住み着いたのか?ロマンは広がりますね。
↓ ちなみに野見宿祢に関する伝説は同じ桜井市の穴師にある【相撲神社】にも伝えられています。 ↓


(相撲神社 境内には石碑や土俵があった)
この神社で我が国初の相撲の天覧試合が行われた、つまり国技発祥の地とされています。
島根でも出雲大社で相撲大会が開催されていたりしますが、こちらでも野見宿祢命は愛されていますね。
この神社で我が国初の相撲の天覧試合が行われた、つまり国技発祥の地とされています。
島根でも出雲大社で相撲大会が開催されていたりしますが、こちらでも野見宿祢命は愛されていますね。
さて、出雲から桜井駅に戻り万葉まほろば線(桜井線)で1駅進んで三輪駅へ。
次は、桜井市との友好の元となった『大神神社』(おおみわじんじゃ)へ向かいます。
大神神社は背後にある三輪山をご神体としていて、最古の神社とも呼ばれています。

こちらは32.2mの高さがある大鳥居。
出雲大社の大鳥居は(ご本殿より高くならないよう)23mほどですので、更に9m高い鳥居ですね。
(日本で一番大きな鳥居は和歌山県熊野大社の鳥居33.9m)
(日本で一番大きな鳥居は和歌山県熊野大社の鳥居33.9m)

(ご神体である三輪山を背にした拝殿)
祭神である大物主大神は農業や方除、治病をはじめとした生活全般の神様として信仰を集めています。
大神は蛇の姿も持っているということから、境内には蛇の好物である卵が各所にお供えされていました。
すぐ横にある【狭井神社】では、病気平癒のご神徳のある神水もいただけます。


狭井神社の境内からは、背後の三輪山に上って頂上へ参拝することもできました。
(※令和3年9月現在 コロナウイルス感染拡大防止の為、入山禁止)
神域なので写真はありませんが、とても厳かな場所です。
当時は運動不足が極まっていたので、山から降りてすぐのお店で三輪そうめんを頂きました。
出雲も桜井も麺類が有名です。こじつけじゃありませんよ。

実は、三輪そうめんの『桜井』・讃岐うどんの『琴平』、出雲そばの『出雲』では
それぞれの土地で同じ神様を祀っていることから、
年ごとに開催地を変えて、ご当地麺をアピールするイベントを行っています。
(金毘羅宮も大物主命を祀っているため、出雲は香川県の琴平町とも友好都市を結んでいます)
私はすべて現地で食べました!
また最近、東京国立博物館で『出雲と大和』という展示があったように、
両地は古代において重要な役割を果たしていました。
出雲と言えば神代の時代から存在する出雲大社、日本で最多の銅鐸が出土した加茂岩倉遺跡。
そして桜井も、国内最古の木製仮面や、卑弥呼の墓ではないかと噂される箸墓古墳で有名な纒向遺跡がありますね。

(文化財センター なんと大人300円 旗のキャラクターは市のマスコット【ひみこちゃん】)
さて、桜井市への愛あまって長々と書いてしまいましたが今回はこんなところで。
皆さんもいつか、出雲市と桜井市に訪れてみてはいかがでしょうか。
(ブログを書くにあたって地図を見直したら、
桜井市の隣の磯城郡には、石見という地名もありました・・・う~んロマン)

(渋谷向山古墳近辺、山邊道上陵から見る桜井市)
余談ですが、京都にも出雲路という地名があります。
そちらは出雲氏という出雲出身の人々が住んでいたからだということです。
もし皆さんの近くにも出雲があったら教えてくださいね!!!!

では、また。